警報
朝からけたたましく火災報知器が鳴っていた。
朝からといっても、早朝というわけではなく、たぶん、9時は過ぎていたと思う。
鳴っていたことは知っていた。でも寝ていた。頭の片隅で、火災報知器が鳴っていた。
ふいに、ただのけたたましい音が、危険な音に聞こえた。火災報知器=火事と結び付いた瞬間だった。着替えもせず、眼鏡を探し、一応家に鍵をかけて家を飛び出した。
目視確認したけれど、煙も火も見当たらず。
ガスのにおいもしないし、誤報かな?
そう思ったけれど、心配なので階段を下りた。下りたところで、なにやらせかせか動いている人たちが。こっちへ駆け寄ってくる。
あ、これ誤報なので。物かなにかで押してしまったようで。そろそろとまるので。すみませーん。
なんだ、誤報か。安心した。
こういう類いの警報に、ちょっと疎くなった気がする。今日だって、誰かの目覚まし時計かなとか(それにしてはけたたましすぎる笑)そんな能天気なこと考えて、睡眠を優先して、家を出るのが遅れた。
先日鳴った地震警報もしかり。地震が大きくなったら逃げよう。その程度。
ミサイルの警報なんぞもっと悲惨。もはやなにもしない。
慣れてしまったようだ。
自分の身は自分で守らねば。気を引きしめる。
よく、誤報ばかりだとオオカミ少年になる、と言う話を耳にするけど、オオカミ少年になったところで、困るのは自分だから、その指摘は的を得ていないと思う。どうせ誤報だろうとなにもせずにいて、それで誤報ではなかったときに被害を被るのは自分なのだから、なんで誤報を鳴らすんだよ、という文句は何が言いたいのかあまりよく分からない。しかたない、100%の精度などないのだから。うるさくて迷惑なのかもしれないけど、有事の際にきっと重宝するはずだ。そのためには目をつぶろう、と少なくとも私は思う。
どう考えようが、各々の自己判断である。
少なくとも私は、くらいのスタンスである。
私は身構えてしまう、という話である。
ビビりなのである。
こめでした。