忘れること
忘れることは没頭することなのかもしれない。
1人旅をしてきた。旅といっても大荷物で遠出ではなく、バックひとつで、電車で30分ほどゆられるだけ。
自然と、携帯も手に取らなくなり、用意してきた本を開いた。せっかくいつもと違う方面の電車に乗ったので、車窓から雪景色を眺めながら。贅沢な時間。
電車で読む本は、またいつもと違う。
道中ですら非日常を味わった。私が何者でもなく、ただここに存在しているだけのような、過去も未来も忘れて、ただここにいるだけのような、そんな気持ちになった。
日々のいろいろなことを忘れ、非日常の世界に夢中になった。その感覚が私をリラックスさせた。
一瞬にして現実に引き戻された、とは、よく言ったものだ。
ディズニーランドに行くと、その帰り道に一気に現実に引き戻される感覚になる。余韻こそあれど、そう長続きはしない。余韻に浸りながら、つい明日からの日常を考えてしまう。
それはつまり、ディズニーランドにいる間は日々のことを考えなかった、つまり忘れていたのである。そしてきっと、ディズニーランドのことだけを考えていたのではないか。
その没頭が、体をリラックスさせるのかもしれない。
なにかに没頭したい、夢中になりたいと日々思ったりするけど、そっちに意識を持っていくというよりは、忘れる、ということを意識的にやってみるのも面白いのではないか。
脳の作り的に、完璧に忘れることはまあないはずだが。忘れることと夢中になることはセットな気がする。
また新しい発見をした。わいわい友人とはしゃぎながら旅をするのもよいけれど、たまにはこうして1人でまったりするのもいいもんだなあ。
こめでした。温泉、気持ちよかった。