厳しさ
GW初日。なんにもせず、終わった。
しまるところがないから、ゆるむところもない。
そう感じ、目を閉じた。
メリハリがない。緩急がない。
ないものばかりを数え上げ、眠りにつこうとする。
とくになにもしなくても生きられるように、楽をできるように、どんどん発展してきた世界。それが成功しつつある世界に生きている。
いろいろなチャンスが至るところに落ちていて、誰しも望めばなにかしらできる、恵まれた環境。
人生は、壮大な暇潰し。
暇を楽しく潰したい。
"効率的、合理的、それこそ全て。
無駄なものは排除。人生一度きり。"
その類いの言葉に触れるたび、そうなりたいと憧れた。ないものねだり。
その憧れが自分を苦しめていたのかもしれない。
真夜中だというのに、アパートに面した大通りを走る車の音が響き渡る。
いつの間にかため息も出ないほど疲れきっている自分を自覚する。
「すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなる。」
昼間、どこかで目にした言葉。
すぐに役立つことを求めること、そのペースについていくこと、それに一生懸命だった。
振り返れば過去に何かに夢中になっていたとき、これがなんの役に立つかなんて、ちっとも考えてなかった。ただただ、夢中だった。
なんの役に立つか。
これがこういう風に役に立つだろう。
大いに結構。
でも自分には必要ないのかもしれない。
役に立つか立たないか
効率的か合理的か
それが最短ルートなのか
そういう考えを一切排除したい。
一旦リセットしたい。
隣の部屋の住人がシャワーを浴びる音が壁越しに聞こえる。
それなんのためにやってるの
私が言いがちな言葉。言いがちだった言葉。
何のためとかじゃない。やりたいからやってるだけ。
何のためとかばっかり考えてるから
自分の真の気持ちがどこかへ消えたんだ。
壮大な夢、もったフリしてみ
持つのが怖いなら、疑似体験
役者になったつもりで
地元に面白いコミュニティをつくりたい。
どんなかたちでもいい。
ただ、みんなが集まれる場所を。
みんなが集まって、わいわい、いろんなことができる場所を。多様性が許される場を。
大学入ってから地元の友達と地元で会ったとき。
将来何すんのって。そんな話になったとき。
みんなでなにか面白いことやりたいよねって。思わず口から出たのが思い出せる最初。
何をするじゃなくて、誰とするか。
自分と今まで関わった全ての人がそこで繋がって、楽しく過ごしたり、新しいことを産み出したり、そういう場。
それやって、なにになるの。
それやって、なにがしたいの。
意味あるの。
違う。違う違う。
やりたいんだよ、なんでかわからないけど。
やってみたいんだよ。なにするかわからないけど。
外でクラクションが鳴る。
厳しさ、刺激を求めているのかもしれない。
人生は壮大な暇潰し。
その暇に、なにをしようか。
寝返りを打った。